Kawataka’s diary

週末と休日メインで更新中

読書

ローマ皇帝伝(スエトニウス)

ローマの皇帝の評判を書き連ねた本です。史実だけではなくて噂話や言い伝えも書いたメモ書きという感じでした。 皇帝はカエサル、アウグストゥス、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ、ガルバ、オト、ウィステリウス、ウェスパシアヌス、ティトゥ…

ゲルマーニア(タキトゥス)

ゲルマーニア(タキトゥス)、紀元97~98年ごろの著作とのことです。 ゲルマン人の生活一般を書き留めた本で、会議、司法、戦争、住居、婚礼、葬送、、、、などの概要が記されています。表紙に書いてある通り、ローマ人の頽廃ぶりを憂い、ゲルマン人の勇敢さ…

道徳形而上学言論(カント)

カントは、人間性を単なる手段として使用してはならない。目的としなさい、そして自分に対して接するように他人に対しても接しなさい、・・・すなわち自分を大事にするように他人も大事にしなさい、と言っているようです。人間性を手段として使用すると、利…

そしてバトンは渡された

「そしてバトンは渡された」(瀬尾まいこ) 映画の原作小説です。本屋大賞受賞作。小説ではここがちょっといまいち、、、というところに映画では手を加えていました。結果、別物のような映画に仕上がっています。さすがです。

コレラの感染様式について(ジョン・スノウ)

イギリスの医師がコレラ流行の原因を探った報告書です。19世紀半ばのロンドンの悲惨な衛生状況が書かれています。せっかく上水道が整備されているのに、取水地が汚染されていたり、上下水道が分離されていなくて下水が上水に混ざったり。あるいは公共井戸の…

永遠平和のために (カント)

カント71歳の時に公表した書です。 タイトルの通り、平和を達成するためにどうすべきか、を解説しています。1795年の発行です。ナポレオンのロシア遠征が1812年、クラウゼヴィッツの戦争論は1830年の書、この本が出たころ、ヨーロッパは戦争と平和を行ったり…

饒舌について(プルタルコス)

プルタルコスとは英雄伝でおなじみのプルタークのこと。英語読みかギリシア語読みかの違い。全部で6章からなるエッセイ集です。さらっと読めます。 ・いかに敵から利益を得るか・饒舌について・知りたがりについて・弱気について・人から憎まれずに自分をほ…

種の起源・下 ダーウィン

種の起源、下巻を読み終えました。 上下巻で非常に長い本なので、最後に要約と結論という章が設けられています。ここまで通して読んできて、要約を読むとようやく頭の中が整理できました。種の起源は、まず最初に下巻の第14章を読むと良いかもしれません。 …

郵便少年(森見登美彦)

郵便少年、森見登美彦著。 本棚を整理していたら出てきました。10年以上前にお菓子かなにかのおまけでついてきた文庫だったと思います。いや、お菓子がおまけだったかもしれない。 「ペンギン・ハイウェイ」の世界が舞台で、梨木香歩の「西の魔女が死んだ」…

四畳半タイムマシンブルース (森見登美彦)

森見登美彦の四畳半タイムマシンブルースです。単行本は買いそびれたので文庫本で買いました。 四畳半神話大系のメンバーが、タイムマシンで昨日と今日を行きつ戻りつする話です。昨日に戻るのは「エアコンのリモコンを救うため」。本当にしょうもない理由で…

種の起源(ダーウィン)

種の起源、ダーウィンの名著です。まずは上巻を読みました。 読みながら思ったのは、「当たり前のことが書いてある」でした。我ながら幼稚な感想です。現代では当たり前だが、19世紀には当たり前ではなかった。当時、この本は世界を驚かせ、その後の生物学…

君主論 (マキアヴェッリ)

マキャベリズムでおなじみのマキアヴェッリ。権謀術数とか残酷とか冷酷とかあまり良くない単語を連想するのですが、君主論を読む限り、そのようなことはなかった。15世紀のイタリア君主の心がけとして、至極真っ当なことを書いていると思いました。当時のイ…

内乱記 (カエサル)

ユリウス・カエサル本、二冊目。 年代的にはガリア戦記の後です。ローマ元老院メンバーと仲たがいし、スペインからエジプトまで、地中海諸国を東へ西へ走り回る物語です。 カエサルと言えば、「賽は投げられた」と言ってルビコン川を渡る名場面があるはずで…

孫子

古代中国の兵法の書です。非常に短くてすぐに読めますが内容が深い。戦争だけではなくいろいろなことにあてはめられる。孫子をベースにしたビジネス書が何冊も出ていますが、それも納得です。また、世の中のおっさん達が孫子を語りたくなるのもわかる気がし…

ガリア戦記 (カエサル)

カエサル将軍が紀元前58~52年にガリア(今のフランス)に遠征したときの記録で、カエサル本人が書いたそうです。 ガリアにとどまらず、ゲルマーニーとも戦い、ブリタンニア(今のイングランド)がガリアを支援していると気づいたので、海峡を渡ってイン…

アナバシス (クセノポン)

「クセノポン」と打とうとしたら「癖のポン」と変換されました。可愛い。 紀元前400年頃、ソクラテスの時代、ペルシア王国の王と王弟の内紛にギリシア兵1万人が外国人部隊として参加しました。トルコのエーゲ海沿岸を出発し、半年かけてイラクのバグダッド…

友情について (キケロー)

「老年について」に続き、キケロー2冊目。今度は友情について。 前作「老年について」は、カトーがまだ年若いスキーピオーとラエリウスに、老いについて語っていましたが、本作では年を取ったラエリウスがスキーピオーを亡くしたあとで、友情について語りま…

老年について (キケロー)

紀元前43年に没したローマの政治家、キケローの人生論です。この本の当時84歳とのことで、長寿。老年に焦点を当てる本は古代ローマでは初めてだったみたい。 ページ数は短くて直ぐに読めます。なかなかに渋い本でした。 P.22 老年が惨めなものと思われる理由…

プロタゴラス ソフィストたち (プラトン)

ソクラテス本、7冊目。今度の相手はソフィストの重鎮、プロタゴラス。 徳は人に教えられるのか、というテーマで議論を進めるソクラテスとプロタゴラス、ソクラテスは教えられないと考えているので、プロタゴラスの主張に反論をしていきます。ただ、後半はち…

ゴルギアス(プラトン)

プラトン先生のソクラテス本、6冊目です。今回の相手は3人です。ゴルギアス、ポロス、カルリクレス。カルリクレスがかなり抵抗しますが、ソクラテス師匠は負けません。最後、カルリクレスは話すのをやめてしまい、ソクラテスの話を聞くだけになってしまう…

テアイテトス (プラトン)

プラトンの5冊目です。ソクラテス節、全開でした。 知識について、っていう副題だから「知識とは○○である」という結論が出てくると思って期待して読み進めましたが、(途中では「知識とはこうだよね」という発言も出てきたのですが)最終的に全部否定されま…

ダフニスとクロエー (ロンゴス)

同名のバレエがありますし、ラヴェルの管弦楽組曲「ダフニスとクロエ」は超有名ですが、もともとは紀元2~3世紀ごろのギリシア文学作品だそうです。ギリシアですがプラトンの時代からは数100年が経過しています。帝政ローマの時代。岩波文庫は絶版ですが、古…

パイドロス (プラトン)

プラトン、4冊目。ソクラテス師匠とパイドロスとの対話という体裁で、弁論術について述べています。 冒頭、パイドロスが知り合いのリュシアスが語ったという口説き話から始まります。「恋していない者にこそむしろ身を任せるべき」という妙な主張をするリュ…

饗宴 (プラトン)

原題「シュンポシオン」とは「一緒に飲む」という意味だそうです。プラトンがソクラテス師匠の愛についての語りを書き記した本。プラトン先生の常として対話形式で書かれていますが、さらにこの本では二重の対話となっています。登場人物が昔を思い出して語…

約束のネバーランド (白井カイウ/出水ぽすか)

約束のネバーランド、週刊ジャンプ連載で今年の6月に完結した漫画です。単行本で全20巻。先日読み終えました。面白かった。20巻を一気読みしました。 20巻の表紙、カバーを外してみる。 鬼が人間を食料とする異世界。農園で食用に育てられた子供達が自由を求…

犬がいた季節 (伊吹有喜)

四日市市内の近鉄「富田山駅」近く、公立「八稜高校」を舞台にした小説です。今週発売の新刊。大学入試と家族の不和が大きなテーマ。いろいろと悩んで卒業していくそれぞれの時代の高校生の話でした。 帯に「ページをめくれば18歳のあなたがいる」とあります…

メノン (プラトン)

ソクラテス師匠とメノンの対話形式で徳を議論しています。100ページくらいの短い本です。 P.79 徳は知である。 P.73 知なら教えられる。 P.104 しかし、徳を教えられる人はどこにも見つからなかった。 →徳は教えられうるものではない。 P.114 すると、徳はも…

ソクラテスの弁明 クリトン (プラトン)

プラトンは紀元前のギリシア時代の哲学者でソクラテスの弟子。ソクラテスは死刑に処せられるのですが、ソクラテスの裁判を傍聴して師匠の言葉をまとめたのがソクラテスの弁明で、死刑の直前に脱走を勧められた時のソクラテスの反論がクリトンです。 ソクラテ…

となりのトトロ

小説版の「となりのトトロ」、イラストは宮崎駿。 バス停でトトロに貸した傘、映画ではトトロが持って行ってそれっきりなのですが、小説では、翌朝、家の前の小径に傘がおかれていたとなっています。トトロが返しに来たらしい。トトロ、鷹揚な感じですが細か…

生の短さについて  他二篇(セネカ)

「生の短さについて」、「心の平静について」、「幸福な生について」、セネカの著作3篇です。 セネカはローマ時代の政治家。歴代のローマ皇帝に仕えたが、ネロ皇帝の時代に死刑に処せられてしまう。政治家・実務家としての生き方を簡潔に述べています。特に…