プラトン、4冊目。
ソクラテス師匠とパイドロスとの対話という体裁で、弁論術について述べています。
冒頭、パイドロスが知り合いのリュシアスが語ったという口説き話から始まります。
「恋していない者にこそむしろ身を任せるべき」という妙な主張をするリュシアス、弁論術の大家らしいのですが、その論法についてソクラテス師匠がダメだしする、という流れでした。
「恋していない者に恋をしろ」って意味が通りません。しかしながら、当時のギリシアではこういう主張がまかり通っていたようです。
話や書きものの中で取り上げるひとつひとつの事柄について、その真実を知ること、
あらゆるものを本質それ自体に即して定義しうるようになること。
定義によってまとめたうえで、今度は逆に、それ以上分割できないところまで、種類ごとにこれを分割する方法を知ること。
さらには魂の本性について同じやり方で洞察して、どういうものがそれぞれの性質に適しているかを見出し、その成果に基づいて、複雑な性質の魂にはあらゆる調子を含むような複雑な話をあたえ、単純な魂には単純な話を適用するというように、話し方を排列し整理すること。(P.141)
ソクラテス師匠のまとめです。
まず定義して、次に分割して個別に整理する。
それ以上分割できないところまで分割して整理する、どこかで聞いたことのある話です。
デカルトだったような気がします。というか、プラトンが先でデカルトが後。