ソクラテス師匠とメノンの対話形式で徳を議論しています。100ページくらいの短い本です。
P.79 徳は知である。
P.73 知なら教えられる。
P.104 しかし、徳を教えられる人はどこにも見つからなかった。
→徳は教えられうるものではない。
P.114 すると、徳はもはや知識であるとはいえない。
P.117 徳は神の恵みによって備わるもの
すなわち、徳は教えられない、ということが言いたかったらしい。
さらっと書いたら5行で終わるのですが、それを滔々と述べています。
プラトンが実際にソクラテスとメノンの対話を一から十まで聞いて書き起こしたのではないでしょうが、この本の一部でも事実としたら、ソクラテス師匠は結構ややこしい人だったように思われてなりません。徳を教えることはできるか?というメノンの疑問に対して、あれこれと議論を発散させているように見えました。そしてそれを聞いて困惑するメノンを見て楽しんでいたようにすら見えます。
ソクラテス…こんな人が身近にいたら、どのように接したらよいのかちょっと悩むかも、です。