Kawataka’s diary

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老年について (キケロー)

紀元前43年に没したローマの政治家、キケローの人生論です。この本の当時84歳とのことで、長寿。老年に焦点を当てる本は古代ローマでは初めてだったみたい。

ページ数は短くて直ぐに読めます。なかなかに渋い本でした。

 

P.22 老年が惨めなものと思われる理由は四つ見いだせる。
第一に、老年は公の活動から遠ざけるから。第二に、老年は肉体を弱くするから。第三に、老年はほとんど全ての快楽を奪い去るから。第四に、老年は死から遠く離れていないから。
と挙げておいて、それらに対する反論を述べていきます。

老人でも公の仕事に就くことはできる。諸先輩方を見よ。
老人にはそもそも体力は求められていないが、節制すれば頑強な肉体を維持することができる。
熱意と勤勉があれば老人にも知力はとどまる。研究に没頭するのもよいし、農業に勤しむもよし。「農事の楽しみは山ほど数えあげることもできる(P.54)」

最後に、プラトンの”魂の不死”説を持ち出します。パイドン

キケローが不死を信じていたのかどうかまではわかりませんが、「間違っていても良いからそれを信じていたい」というようなことを言っています。
どうせわからないんだから、否定してもしょうがない、っていう感じです。ポジティブ思考。

「P.78 人間はそれぞれふさわしい時に消え去るのが望ましい。」最後に一言、渋い。

 

要するに、「年を取ったからあれができないこれもできない、と愚痴るのは止めよう、できることはまだまだある。謙虚に過ごし、徳を身につけよう。」、というようなことが言いたかったようです。全くその通りです。

ということで、年齢を言い訳にするのは止めようと思いました。

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