ユリウス・カエサル本、二冊目。
年代的にはガリア戦記の後です。ローマ元老院メンバーと仲たがいし、スペインからエジプトまで、地中海諸国を東へ西へ走り回る物語です。
カエサルと言えば、「賽は投げられた」と言ってルビコン川を渡る名場面があるはずで、それを期待したのですが、内乱記には出てきませんでした。
あっさりと「兵士の意思を確認するとカエサルは、その軍団と一緒にアリミヌムに向けて出発する(第一巻8)」と書かれているだけ。
内乱記の最後の方、第三巻の105、ポンペイユスが死んだとき、カエサルと神とのつながりをにおわせるエピソードがいくつか続きます。誰もいない神殿で太鼓の音が響いたとか、女神像が向きを変えたとか軍隊のラッパの音が聞こえたとか。
自己の神格化を推し進めたカエサルは、アレクサンドリアの戦いの3年後、ローマで暗殺されることになります。とりあえずやりたいことは一通りやったわけで、そういう意味では充実した一生だったんだと思います。しかし、やりすぎ感はある。