Kawataka’s diary

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ソクラテスの弁明 クリトン (プラトン)

プラトンは紀元前のギリシア時代の哲学者でソクラテスの弟子。
ソクラテスは死刑に処せられるのですが、ソクラテスの裁判を傍聴して師匠の言葉をまとめたのがソクラテスの弁明、死刑の直前に脱走を勧められた時のソクラテスの反論がクリトンです。

 

ソクラテスは、神託で自分以上の賢者はいないと言われたので、その反証を探すために世の中の賢者といわれる人を訪ねた。そうしたら、賢者と見える人が実は賢者ではないと分かったのでそれを相手に説明した、そうです。P.24。
彼は何も知らないのに、何かを知っていると信じており、これに反して私は、何も知りはしないが、知っているとも思っていないからである」P.24  ←無知の知
その結果私は彼ならびに同席者の多数から憎悪を受けることとなったのである」P.24
でも、「その後私は順次にさまざまの人を歴訪した。」P.25
これを政治家や詩人に繰り返した結果、とある詩人に訴えられたらしい。

そりゃそうでしょう。
対談の末に「あなたは無知です。」とストレートに言ったら、さぞかし怒りを買ったことでしょう。言葉を選んだらよかったかもしれませんが。もしかしたらそういう工夫ができない人だったのかもしれないです。

 

思うに諸君にしてもし私を死刑に処したならば、他に再び私のような人間を見出すことは容易ではあるまい。(P.46)
私が神によって本市に遣わされた者であることは、諸君も次の事実から看取し得るであろう…(略) (P.47)

自信家というか、上から目線というか、世俗を超越しているというか。


あとがきによると、裁判では始終この調子で答弁したらしく、それが裁判官の反感を買って結局死刑判決に至ってしまった。(落としどころは追放刑程度だったらしい。)
信念を曲げない人、という評価もできるでしょうが、ちょっと不器用な人という印象を受けました。

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プラトンは非常に読みやすい。次もプラトン