Kawataka’s diary

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孫子

古代中国の兵法の書です。非常に短くてすぐに読めますが内容が深い。
戦争だけではなくいろいろなことにあてはめられる。孫子をベースにしたビジネス書が何冊も出ていますが、それも納得です。また、世の中のおっさん達が孫子を語りたくなるのもわかる気がしました。

とにかく、端的かつ言い切りだから、簡潔でわかりやすい。

 

彼を知りて己を知れば、百戦してあやうからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ずあやうし。

有名な諺「敵を知り己を知れば百戦して危からず」。
この文章は、前段の5つの勝ちパターンを説明してからの総括です。なので、5つの必勝法も併せて覚えておかないといけない。

そこで、勝利を知るためには5つのことがある。

  1. 戦ってよいときと戦ってはいけないときとをわきまえていれば勝ち、
  2. 大軍と小勢とのそれぞれの用い方を知っていれば勝ち、
  3. 上下の人が心を合わせていれば勝ち、
  4. よく準備を整えて油断しているものに当たれば勝ち、
  5. 将軍が有能で主君が干渉しなければ勝つ。

だから、「敵情を知って味方の事情も知っておれば、百たび勝っても危険がなく、敵情を知らないで味方の事情を知っていれば、勝ったり負けたりし、敵情をしらず味方の事情も知らないのであれば、戦うたびに決まって危険だ。」といわれるのである。
(謀攻篇五 P.42)

端的ですが深い。

 

有名どころをもう一つ、武田信玄の旗でおなじみの風林火山。「速きこと風の如し…」です。30年前の大河ドラマでやってました。
孫子を読むと風・林・火・山のほかに「陰」もあったようです。整理すると、風林火陰山、でした。信玄公は縁起を担いで陰をはずしたんでしょうか。

 

其の疾きことは風の如く、其の徐なることは林の如く、侵掠することは火の如く、知り難きことは陰の如く、動かざることは山の如く

 

戦争は敵の裏をかくことを中心とし、利のあるところに従って行動し、分散や集合で変化の形をとっていくものである。
風のように迅速に進み、林のように息をひそめて待ち、火の燃えるように侵奪し、暗やみのようにわかりにくくし、山のようにどっしりと落ち着き、雷鳴のように激しく動き、村里をかすめ取るときは兵士を分散させ、土地を奪って広げるときにはその要点を分守させ、万事についてよく見積りはかったうえで行動する。
相手に先んじて遠近の計-遠い道を近道にするはかりごとーを知るものが勝つのであって、これが軍争の原則である。(P.77)

 

クラウゼヴィッツ戦争論も勉強になりますが、とにかく長くて分かり難かった。もう一回読もうという気にはなかなかなれない。整理未了のまま亡くなられたのが惜しまれます。

孫子はそれよりもはるかにわかりやすいです。
さすがです、2000年以上読み継がれているだけのことはある。

 

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