Kawataka’s diary

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ガリア戦記 (カエサル)

カエサル将軍が紀元前58~52年にガリア(今のフランス)に遠征したときの記録で、カエサル本人が書いたそうです。


ガリアにとどまらず、ゲルマーニーとも戦い、ブリタンニア(今のイングランド)がガリアを支援していると気づいたので、海峡を渡ってイングランドにも侵攻しました。イングランド侵攻では船が壊れて苦戦したことがさりげなく書かれています。

ローマ軍はかなり強いのですが、常勝とまではいかなくて、包囲されて苦戦したり、指揮官が浮足立って一個軍団が壊滅したりしてます。
また、ガリア人はしょっちゅう裏切るので、それも苦戦した理由です。ただ、ガリア人にしてみたら、ローマ人は侵攻軍ですから隙あらば追い出そうとするのは理解できる。

それにしてもカエサルの文才が半端ないです。
敵味方の指揮官の心理描写や戦場風景などが非常にリアルに書かれていて、特に要塞の攻防なんて上空から偵察していたみたいに書いています。航空機も無線もない時代に。また、壊滅した軍団についてもローマ兵が勇敢に戦ったことを記していて、表紙に書いてある通り、ローマ人にはとても受けたと思います。
そして簡潔。6年分を文庫本一冊にまとめられる要領の良さ。

 

アナバシスと同様に、食料の調達に人手を割いていたことがそこかしこに出てきます。外征軍の永遠の課題です。

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