Kawataka’s diary

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饒舌について(プルタルコス)

プルタルコスとは英雄伝でおなじみのプルタークのこと。英語読みかギリシア語読みかの違い。
全部で6章からなるエッセイ集です。さらっと読めます。

・いかに敵から利益を得るか
・饒舌について
・知りたがりについて
・弱気について
・人から憎まれずに自分をほめること
・借金をしてはならぬこと

それぞれ、ごもっともです。

 

P.49 言葉をいったん口から出してしまったら、それをつかまえて意のままに操ることなどできるものではない。

P.120 不当な要求をする者を拒否する鍛錬に励むべき

P.170 自己賛美には必ず他人に対する非難が伴っているものだ

P.179 金をお持ちか。ならば借金をせぬことだ。困っているわけではないのだから。
   金
がないか。ならば借金をせぬことだ。返せる見込みは無かろうから。

 

P.179は個人的には名言です。
プルタルコスは借金をばっさりと切り捨てています。プルタルコス先生、もしかしたら借金で苦労されたのかもしれない。
(出納帳に金額が正しく書かれない、金額を盛られる、みたいなことが書いてありました。ひどい。古代ギリシア貸金業者はあこぎな商売をしていたようです。)

とはいえ、お金を借りずに済むならそれに越したことはないですが、学費や住宅等、どうしても借金が必要な場面はあるのです。。。

 

全編通して引例が豊富です。あとがきにもある通り、これだけの引例を準備しようとしたら相当な量のメモカードが必要だったはず。紙のカードは無くてパピルスに書きつけていた時代ですから、メモを作るだけでも一苦労だったと思います。