Kawataka’s diary

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因果関係は?

今日の中日新聞の2面記事です。朝刊で全文読みました。いまいちでした。

www.chunichi.co.jp


曰く、男女の家事・育児の分担率と出生率に相関関係がある。すなわち、均等に分担しているほど出生率が高い、とのこと。

だからなに?って感じです。その2つは相関しているでしょうね、当然です。言われなくても想像つきます。
出生率が高いほど、すなわち子供の数が多いほど、家事育児には人手がかかるから周りの大人が家事育児に参加する機会が増えるはずです。男女関係なく、ただただ人手がかかる、女性が家事育児にかけられる時間は当然ながら有限です。だから足りない分は男性が実行することになる。だから男性の参加機会が増える。そうすると「男女の分担率」という切り口で整理したときに率が上がる。
当たり前と思います。

 

考察して欲しいのは因果関係です。均等に家事育児を分担したら出生率が上がるのか、すなわちこの記事に即して書くなら、”男性が育児にもっと参加したら出生率が上がるのか?”です。
これが論じるべきポイントのはずです。考察してほしいところです。
この記事ではそこをぼやかしています。さすがの中日新聞でもその考察は自信をもって書けなかったようで、うまくぼやかしていました。ま、適当な考察を書かれるよりは良心的な記事かもしれません。

ただ、この記事構成だと、読んだ人が『男性が育児に参加したら出生率が上がる』と思い込むかもしれないです。そこは気がかりではある。

 

 

この記事で言う「男女」が何を指すか、が記事に書かれていない。だから最初にイラっとします。(ソクラテス先生も、議論を始める前にお互いに定義を確認するのが大事だよ、って言っていたはず)
配偶者だけなのか、その両親や兄弟姉妹は含まないのか?お手伝いさんとかはどうなる?
ちょっと考えるだけでも、日本の場合、実家の祖父母に子供の面倒をみてもらうケースがあると思われるがそれは反映されているのか。

 

そしてなにより驚いたのが、相関関係ありと主張するデータがたった3か国というところ。ずいぶんと思い切ったものです。これで結論を出しに行くのは力技ですね。凄いです。
上述の通り、相関関係は当然あると思うのですが、それでもn数=3で議論するのは、普通の感覚ではちょっとためらいます。原著論文にはもっとn数があると信じたい。