Kawataka’s diary

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ルソー 「社会契約論」

ルソーの社会契約論を読みました。
世界史でおなじみ、フランス革命に影響を及ぼしたという本です。

各構成員の身体と財産を、共同の力のすべてをあげて守り保護するような、結合の一形式を見出すこと。そうしてそれによって各人が、すべての人と結びつきながら、しかも自分自身にしか服従せず、以前と同じように自由であること」(P.29)

我々の各々は、身体とすべての力を共同のものとして一般意思の最高の指導の下におく。そしてわれわれは各構成員を、全体の不可分の一部として、ひとまとめとして受け取るのだ。」(P.31) 
個人の自由はそのままに全体として一つの意志をもつ、ことを社会契約と呼ぶようなのですが、私が誤解しているかもしれません。

面白かったのは多数決について。
多数決の法則は、約束によってうちたてられたものであり、また少なくとも一度だけは、全員一致があったことを前提とするものである」(P.28)
普段は何気にスルーしていますが、「多数決で物事を決める」ということについては最初に全員一致で決めているはずです。それが前提ですね、たしかに。

良い政府とは市民が増加していくような政府である(P.118)、なんていうのも、しごく簡潔ですが、その通り。

君主制は常に共和制に劣る(P.104)などというあたりが、フランス王政に対する主張らしい。
君主制において立身出世するものは、小乱暴者、小悪党、小陰謀家だけ(P.104) なんていうのは、ルソーの実感がこもっているように思います。