Kawataka’s diary

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実験医学序説 (クロード・ベルナール)

フランスの医学者ベルナールの1865年の著作です。実験医学の考え方を明確に示しています。パストゥールにも影響を与えたらしい。

観察と実験の定義から始まり、推理、実験結果の解釈、比較実験の重要性、反対証明、などなど。
当時は「生命科学は物理や化学とは違う、非生物と生物は区別すべき。生命は神秘的で、同じように理論づけなんて到底できない。」という考え方があったようで、それらに対する反論をしたかったようです。
生物医学だけではなく、化学や物理の実験を行う人が読んでも納得できるところが多いと思いました。科学実験をされる人におすすめです。

観察は示し、実験は教える。P.19

実験的に推理するためには、一般に構想を持っていなければならないこと、ついでこの予想を吟味するために、事実即ち観察を援用または喚起しなければならないということがわかる。P.42

実験の中から自己の仮定を確かめるような結果のみを、或いは自己の仮定に好都合な結果のみを採用するといったような不完全の聴き方をしてはならない。P.47
実験の結果はあるがままに、予想しない事実も偶然の事故もすべて総括して承認しなければならない。P.70 太字、超重要です。

最後にベルナールの教え
科学者は、真理を発見するために研究するのである。決して中途に立ちどまってはならない。常に上へ上へと進み、完成に志さねばならない。発見さるべき何物かを見ているかぎり、彼はつねに研究せねばならぬ。P.359

 

自然科学において常にばかばかしいのは「何故に」という質問である(P.136)っていうのは実感がこもっていると思いました。確かにそうです。
たとえば、水素と酸素が反応して水ができるが、それは何故?、って問いかけるのは科学的には意味無いです。

科学者は「どのようにして」を探求するべき。「何故」を追求するのは哲学者の役割かもしれません。

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トイレットペーパーはようやくスーパーやドラッグストアの店頭に並ぶようになりましたが、いまだにマスクは全く姿を見かけません。

政府発表では「一か月に6億枚の生産量を確保する」とのこと、メーカーの努力には深く感謝しますが、店頭に並べるには足りない。
日本の人口が1.3億人、そのうち約半数の6000万人が10枚買うとひと月分の生産量6億枚が消えてなくなる。店頭で全く見かけないのは至極単純。この状況は中国から輸入を再開するまでは改善しない。
たぶん、4月になってもマスクは買えないと思います。致し方ない。

マスクは、本当に必要な人/組織に優先的に渡してもらったらそれで良いです。花粉でつらいのはつらいけど、我慢します。