夏の文庫シーズンが到来しました。
書店には新潮、角川、集英と各社の文庫が並んでおり、例年通り、森見登美彦の太陽の塔も平積みに。ぱらぱらとめくるうちに昔が懐かしくなって、購入しました。
手元にある太陽の塔はこれで3冊目、今回購入したのは令和元年6月5日出版の二十八刷、初版が平成18年6月1日ですから、13年間増刷を続けてきたことになります。この本もずいぶんとロングセラーになったものです。
「これは俺のゴンドラ」
毅然とした台詞を彼女に残して、彼がぐるりと梅田の空を一周して戻って来たとき、彼女はもういなかった。P.184
飾磨くんの名言です。太陽の塔はページをめくるたびに冴えない大学生の迷言が出てくるのですが、その中でも一押しです。
この本で読書感想文を書く中学生がいるんでしょうね、たぶん。
だけど主人公に共感できるのは大学生になってからじゃないかな。
右が初刷 / 左が二十八刷 著者紹介が長くなりました
400円 / 490円
(13年間で90円の値上げ)
ちなみに、2003年のハードカバーでは会計の湯島くんに「森本さん」と呼ばれていたのですが、文庫では「先輩」に変わっています。たしか、文庫では森本さんという呼ばれ方は一度もされていないはずです。