Kawataka’s diary

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響け!ユーフォニアム 決意の最終楽章

小説「響け!ユーフォニアム 決意の最終楽章 上巻」を読み終えました。既刊同様に面白かったです。もしかしたら本当に全国大会で金賞を取るかもしれない、というエピソードがいくつも出てきます。このあたりのリアリティはさすがです。
TVアニメ化&劇場版製作を切望します。

 

まず、黄前部長の人心掌握能力の向上に驚きました。相手の心を読んで言葉を選ぶ、こういうのは1年生時代には苦手としていたはずですが。

また、後編に期待を持たせる終わり方で、本当に全国大会で金賞を取れるかもしれない、と思わせる描写、エピソードがいくつも出てきました。
たとえば、府大会で出演順1番で府代表を取ったとか、クラリネットが冬のアンコン全国大会で銀賞を取ったとか。さらっと書いていますが、どちらも非常にレベルが高いことを言っています。
このような、細かいエピソードがこのシリーズのリアリティを高めています。

※順番1は2番目以降の比較対象になるから不利だし、集合時間が早朝になるからウオーミングアップ不足で実力を出し切れない可能性もある。
ただ、例えば2017年の中日コン本大会の中学校大編成で出演順1の学校が金賞&最優秀賞を取ったという例もあるので、出演順1が金&代表を取るというのは可能性がゼロとは言いませんが、珍しい。よほど実力があったことを示しています。
  

コンクール当日の集合時間が午前3時というのは、強豪校ならありえるのかもしれませんが、大変。。。とりあえず、電車が動いていないから保護者の送迎は必須ですね。
(自分も子供を朝6時に学校へ送った経験はあるが、さすがに午前3時はない)
しかし午前3時から音出しできるんだろうか。近所迷惑?

 

 また、これまでの流れと本作を読むと今年は戦力が充実していることが想像できます。
トランペットにはプロ級の3年生や気弱だけど腕は確かな2年生がいるし、ユーフォニアムの3名は全部が経験者だから不安なし。(しかし、コンクール曲でTpとEuphのSoliって、、、ついにそこまでやるのか。これはぜひ映像化してほしい。)
チューバは経験者と3か月目の初心者(!)の混成部隊。音量重視で選んだとのこと、初心者は難しい旋律は吹かないという選択も可能ですし、チューバの譜面なら行けんじゃないかと。弦バスにベテランが二人もいますし。とにかく、3年生の加藤さんがメンバーに選ばれたのがよかった。
クラリネットは冬のアンコンで全国大会に出て銀賞を取ったとさらっと書いてありましたが、それ、かなり凄いです。アンコンで全国に出るってめっちゃハイレベルです。
バスクラファゴットは昨年1年生でコンクールに駆り出されたメンバーが戦力になっているはずで、今年は木低が不安を抱えることはないでしょう。

今回の北宇治高校は、1年生のころからコンクールを経験している3年生が多いから有利です。ベテランというか、手練れというか。
逆に、来年からはコンクール経験が薄いメンバーが主体になりそうなのでつらい場面もありそう。なので、コンクールごとにオーディションをするというのは良いアイデアです。経験者を増やして来年に生かすことができる。

 

 

それから本書の冒頭のモノローグ、意味深な感じです。さらっと読んだら滝先生の語りですが、本シリーズで滝先生が一人称の文章って出てこないんです。音を楽しめ、って言ったこともない。違和感が残るんです。じゃあ誰の独白?ってことになります。

四人の仲間の写真、卒業記念の桜植樹が7年目、今年で吹奏楽部の指導が3年目。

進路希望調査に悩む場面、「音を楽しめ」という松本先生からのアドバイス(初出はたしかシリーズ一作目)。「(合奏の指導に)向いている」という映画での滝先生のコメント、などなど。

後編のラストで説明があると推測していますが、おととし「2年生編」を読んだときの自分勝手な空想が実現するかもしれない、と思っています。音大ではなく教育学部から、ですが。

 

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社会科もしくは国語科の教員で吹奏楽部の顧問に就任という流れも非常にリアリティがあります。そういえば公立高校の教員ってだいたい8年くらいで異動しますし、もしかして滝先生の後を継いだのかも。。。

もういっそのこと、指導者編として続編を書いてほしいです。