Kawataka’s diary

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死に至る病 (キェルケゴール)

キェルケゴールの「死に至る病」、哲学書というかキリスト教の書という印象を受けました。手を付けてから3か月くらい、かなり難しい本という印象でした。理解が追いつかない。

 

前半で死に至る病は絶望のことと言い、後半で絶望は罪であると言っています。
死に至る病は、言い換えると決して死ぬことができない、死ぬという最後の希望さえもかなわぬ状態。

デカルトの我思う故に我在り、とかソクラテス無知の知っぽいこともでてくるのですが、ソクラテスの話をもう少しキリスト教的に深堀りしているらしい。
キリスト教においては「正しいことを理解しなかったのは彼が正しいことを理解しようと欲しなかったからだ」P.192。というのは妙に納得感がある。

 

ところどころにキリスト教や信仰のことが出てきて、絶望の反対は信仰である、みたいなことも書かれています。だから最終的には罪の反対は信仰になる、はず。(P.166)そしてここまで読むと、逆に「信仰によらないことは罪」と言えるから、キリスト教的な教えとの関連性が分かってきて、キェルケゴールの立ち位置が理解できた、ような気がします。要するに彼はキリスト教をベースに論じているんだ、と。

この本はタイトルが捻りすぎと思います。書店で手に取ってもらうにはこれでも良いかもしれないけれど、信仰と罪、とか絶望と信仰、とかそういうタイトルの方がまだ良かったんじゃないかと思います。素人が勝手なことを言ってますが。