Kawataka’s diary

週末と休日メインで更新中

サンクコスト

サンクコスト、時おり耳にします。

「サンクコスト効果とは、すでに支払ったコストに気をとられ、合理的な判断ができなくなってしまう心理効果」
https://makefri.jp/marketing/7242/

例えば、新規事業を立ち上げてうまくいかなかったら撤退を考えねばなりません。この際、過去にいくらお金を払ったかは関係なく、その時点での自社他社市場の状況から判断をする必要があります。
だけど、人はそう簡単にはできなくて「これまでに〇万円も使ったからもったいない。もう少し粘ってみよう。」みたいなことになってずるずると引き伸ばし、損失が増えていく。という残念な結果になります。たいていは。

 

NHK朝ドラ「舞いあがれ!」で、ヒロインは事業用パイロットの資格を取ってエアラインの内定も取りましたが、家業のねじ工場をに就職する判断をして内定を辞退しました。これをみて「パイロットになるべき。航空学校に払った費用がもったいない」みたいな意見がSNSで出てましたが、それはまさにサンクコスト効果です。
その時点で、すなわちリーマンショックで業績悪化しさらに父親が亡くなって工場がピンチになった状況で自社他社市場を踏まえて判断する。過去の費用は判断に入れてはならない。
(同じことは工学部航空工学科を中退して航大に進学したときにも言えます。受験勉強が無駄になったとか入学金が、、、といった批判は筋違いです。)

 

ただ、この状況での”最善”を考えたら、会社は閉めて工場を処分してマンション経営に転身する、ヒロインは九州のエアラインに就職して自立する、がベストだったでしょう。でも、そんな堅実路線なんて視聴者は求めちゃいないのです。面白くないから。ドラマチックな展開が見たい。
そういう意味で、本作は適度にリアルで適度にドラマチックなのが良いです。