Kawataka’s diary

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こよひ逢ふ人みなうつくしき

 暖冬の影響で今年は桜の開花が早くなるらしい。3月中旬には咲くようです。もう少しです。

 

 清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき 18

 

 

 与謝野晶子「みだれ髪」から。与謝野晶子の歌のなかでもっとも有名なんじゃないでしょうか。
清水、祇園、そして桜と月夜。この歌を見るたびに春の京都に行きたくなります。
幸か不幸か、京都は観光客が少ないらしい。久しぶりに円山公園へ花見に行ってみたい。

 

桜の歌はもう一首あって

 春かぜに桜花ちる層塔のゆふべを鳩の羽に歌そめむ 171

 

あとは月。月の歌は結構多いです。印象に残ったのは

 額ごしに暁の月みる加茂川の浅水色のみだれ藻染よ 47

 しのび足に君を追ひゆく薄月夜右のたもとの文がらおもき 57

 なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな  75 

75も有名。

 

みだれ髪のテーマは恋愛、どの歌も表現がストレートです。
57とか75とか、雰囲気が伝わってきます。

出版された当時は賛否両論だったらしいですが、そうなったのも当然でしょう。

 

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岩波文庫からも出ていると思いますが、手元にあるのは新潮文庫です。表紙のカラーイラストが良いです。