Kawataka’s diary

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テクノ・フェア名大2019

今日の午前中は時間があったので名古屋大学工学研究科のテクノフェアへ行ってきました。この手の研究紹介展示に行くのは学生時代以来です。行く前はつまらなかったら早々に切り上げようと思っていましたが、意外に面白かった。

ポスター展示や実験室見学の際のスタッフ(おそらく博士課程の学生さんか、助教の先生方)の説明がとてもわかりやすいし、こっちは全くの素人なのにきちんと解説してくれる。快活で熱心でフレンドリーでした。

色々ポスターがあるなかで、唯一なじみがあったのは触媒化学(石原研)。鉄錯体とリン系のメタルフリー錯体の二本立て。メタルフリーの売りは環境に優しいところ、鉄系は原料が安価だしエアー下でも取り扱い可能だから工業に有利。メタルフリーは活性低いのでは?と聞くとそうでもないとのこと。
なんで鉄系とメタルフリー系の両方を検討しているのか、を聴き洩らしましたが、多分もともと鉄系錯体を検討していて、最近のグリーンケミストリーの流れでメタルフリーを指向するようになったんだろうと思います。チタンとか使ったら環境イメージは悪くないし活性も出そうだけど、20年前ならともかく、今やるならメタルフリーでしょうね、たしかに。

 

名大のホームカミングデーも併催されていたので、名大出身ではないのですが、構内をぶらぶらと歩いてきました。
野依先生の記念館では理学部化学科の学生さんと少し話せました。野依さんの特別研究室が記念館の上階にあって、時々野依先生が来てディスカッションしているそうです。大学での講義はあまりやらないみたい。野依記念館の他に赤崎記念館もあって、ノーベル賞受賞者が出るたびに建物ができるんです、と嬉しそうに話していました。
※良いと思います。先輩方の功績を目に見える形で残すのは。もっと自慢してもいいと思いますよ。
そのほか、次に名大理学部でノーベル賞を取るとしたら有機化学研究室の伊丹先生だろう、とかいう話も聞けました。有機化学系の研究室では凝った構造の有機化合物を作るのに長けているのですが、ポスターに描かれた一つを指さしながら、学生さん曰く「これは美術品みたいなものです」と言われていたのが面白かった。見て楽しむもので実用性は??という例えです。
※理学部の研究なのでそれでよいと思います。工学部みたいに今日明日使えるものを作るのとは方向性が違ったほうが良い。(それに、いまは美術品でも、将来、役に立つことがあるかもしれません。)

あとは、名大出身ノーベル賞受賞者の記念展示室で、小林先生&益川先生の論文のコピーをいただいてきました。1973年に出版された6ページと短い論文、逆立ちしても何をしても内容はわからないのですが、abstractの簡潔さは印象に残ります。
「~現実的なモデルは存在しない、他の新規な場を導入しない限りは。」と言い切っています。証明するために、様々な場合をしらみつぶしに調べたそうです。

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