Kawataka’s diary

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トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ

昨日TSUTAYAへ行ったら「ビジネス書ランキング4位」とのことで売られていました。しかも平積み×3か所で。試しに買ってみました。ダイエット本です。

この本、要注意です。間違ったことは書いていないようですが、想定読者はアメリカ人です。日本とは全く食生活が異なる人々向けの本です。表紙を見ただけではわからないのですが。

色々な論文を引用して自説を補強していく論調は説得力があるのですが、書き方がくどい。同じことを繰り返し何度も書いている。400ページくらいの結構長い本ですが、整理したら半分以下に収まりそう。さらに読者がもっとも知りたいであろうダイエット方法論はラストの50ページくらい。そこまで読み進めるのに一苦労です。もっと工夫して書いたらよかったのに。

要点は

①これまでのダイエットではカロリーコントロールや脂質コントロールをしてたけど、それでは体重を落とせない。炭水化物だけ(パンとかパスタとか)食べていると痩せないよ。あと糖分もダメ。加糖ぶどう糖液糖は最悪っ!
インスリンをコントロールすれば体重を落とすことができる。インスリンが出続けていると体重は落ちない。間食ばかりしているとインスリンが出続けちゃう。ちょこちょこ食べはダメ。インスリンを下げるには一日おきに絶食すればよい。ただし水分は毎日ちゃんと摂ること!
③精製された穀物(小麦粉製品、パンとかベーグルとか)はダメ、添加糖もダメ(コーラなど清涼飲料水はNG、シリアルにも糖が加えられているものがあるよ、気を付けて!)、食物繊維や酢を取ってね。脂質、タンパク質はほどほどに。そうそう枝豆は良いよ!

シンプルにこれだけです。
②の説明に大部分を割いていました。これが著者の気づきらしいです。
③については、精製された穀物というのが気になるのですが、その他はまあそうでしょう、という感じ。異論はありません。

 

しかし、アメリカ人は普段どんな食生活をしているんでしょう。加工食品しか食べていないんでしょうか。そっちが気になります。

 ※各種論文の引用データで体重の減少をKgで整理するのは不適切。割合(%)で整理すべきでしょう。
※白米も精製穀物なのですが、白米の善悪については明確な議論なし。日本や中国は糖分の摂取量が少なく、肥満率が低いとのデータを示していました。この本、日本は対象外です。
インスリンと肥満に相関があることを繰り返し文献データで示しているが、なぜインスリンが肥満を引き起こすのか、については説明なし。著者は医師であって医学者ではないから、文献調査以上のことはしていない。
※肥満は7割が遺伝と示しているが、インスリン過剰も遺伝と言いたいのか?これが不明確。一日おきの断食で改善できるのは3割っていうことなのか?も不明。いまいち詰めが甘いが、論文ではないからそこまでの考察を求めるのは酷か。